子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第19回はMF品田愛斗(22)。

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東京伝統の背番号18を今季受け継いだMF品田のオフ・ザ・ピッチは“休養力”がテーマだ。コロナ禍で、昨季に続いて今季もシーズンは過密日程。「週に1日のオフがあったとしても、そこで疲労を取りきるのは難しい。毎日の練習後も、10時間はある。そこをどれだけ休養できるか」と、体調管理のポイントを語った。

練習以外にも自宅でコンディション管理のためのトレーニングを取り入れている。筋トレではなく、体の柔軟性や機動力を高めるためのもの。ワニのような姿勢になって4足歩行を取り入れるなど、一風変わった部分もある。「ちょっと人と変わったことはしている。ストレッチの一環」と話す。

ユース時代にけがを経験したことも、現在の生活スタイルにつながっている。股関節の慢性的な痛みを抱え、半年以上サッカーがまともにできなかった。高校3年時にトレーニングを取り入れたところ、痛みがやわらぎ、最終的にトップ昇格につながった。以来、練習前後のルーティンと決めて続けているという。

ここまで、サッカー以外の何かに時間を費やした記憶はない。「あんまり他のことに対して欲を持ったことがない」と明かす。人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン」を友達と遊ぶこともあったが、「画面で見るピッチは、立ったときの見え方が違う。それをプレーに生かすことができそうだと思って、サッカーがうまくなるためにやってみよう」と思ってのことだった。

練習が終わったら「1日が終わった」と感じるくらいパワーを出し切れた日が、いい1日の過ごし方だ。「小さい頃からサッカーに向き合い続けて、それをクラブに見守ってもらって成長してきた。その感謝や、そういう人を裏切れないという思いが常にある」。生え抜き組としての強い責任感も胸に、ピッチに照準を合わせた毎日を送っている。【岡崎悠利】

◆品田愛斗(しなだ・まなと)1999年(平11)9月19日、埼玉県出身。ポジションは主にボランチ。東京U-15から下部組織に所属。18年にトップ昇格し、同年8月の札幌戦でJ1デビュー。20年9月の大分戦でプロ初ゴール。好きな食べ物はギョーザ。愛称はウッディ。180センチ、69キロ。