子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレーを見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第20回はMF高萩洋次郎(35)。

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MF高萩は「練習が終わって家に帰ったら、サッカー選手ではなくなります」と冗談っぽく笑った。家は主に、小学校と幼稚園に通う子どもたちとの時間。宿題を見たり、お風呂に入ったり。家事も洗濯などは高萩がこなすことが多いという。「子どもたちが寝たあとに少しゆっくりできる時間があります」と、時々は妻と晩酌をすることも楽しみの1つだという。

時には子どもたちがけんかをすることも。「寝るまでは戦争のような日もあります」と笑う。それでも、チームの練習は基本的に午前中のため、午後に子どもたちと過ごす時間が長く取れることは恵まれていると感じるという。一方で土日は子どもたちが休みになるが、自身は試合が多い。「子どもが休みの時間に妻が1人になる、その大変さがわかるので、できるときにできることをやるようにしている」と、父親の一面を見せた。

もともとはアウトドア派でサーフィンにもチャレンジするなど多趣味。独身時代はまったく異なる生活を送っていた。家族ができて、ゴルフやスキューバダイビングをする時間は今はなくなった。「やんちゃな子どもがそのまま大きくなりました」といたずらっぽく自分を表現しつつ「なくなったからといってストレスはない。子どもが大きくなって時間ができたりしたら、また」と、将来の1つの楽しみにしている。

とはいえ35歳になった今もばりばりの現役。体重が落ちやすい傾向にある自身の体についても深く理解し、妻の協力も得て食生活には気を使っている。週に最低1回はパワー系のトレーニングも追加し、わずかな疲労感にも敏感に反応してケアを欠かさない。選手としても父としても、自分を誇れるような存在であり続けている。

◆高萩洋次郎(たかはぎ・ようじろう)1986年(昭61)8月2日、福島県いわき市出身。ポジションはMF。03年に広島ユースからトップ昇格しプロデビュー。15年にはウエスタン・シドニー(オーストラリア)、FCソウル(韓国)などでのプレーも経験し、17年に東京に加入。13年7月の東アジア杯中国戦でA代表デビュー、国際Aマッチ3試合出場。183センチ、69キロ。