北海が昨年優勝の札幌大谷を2-1で下し、2年ぶりの優勝に王手をかけた。FW笹森洸成(3年)が前半22分、後半16分と2得点。「FWとして役割を果たせたのは良かった。どちらも、仲間がチャンスをつくってくれたおかげ」と、チーム一丸での勝利を強調した。

どん底からはい上がってきた背番号12が決勝進出の立役者となった。今夏まで左ウイングバックとして試合に出場していたが、道大会前に後輩にポジションを奪われ1カ月前からFWにコンバート。島谷制勝監督(52)は「1トップに適した選手がいなかったので、体も強く技術もある笹森を急造で試してみた。厳しい試合の中、2点は本当に大きい」と喜んだ。

登別緑陽中出身で、21日に飛び級でU-22日本代表に招集された室蘭市出身の青森山田MF松木玖生(くりゅう、3年)とは旧知の仲。既にJ1東京入りが内定している松木について「あんなにすごい選手になるとは。僕も負けていられない」。世代トップを走る友の躍進も刺激となった。

昨年の大会は準決勝敗退。「サイドをやっていて僕のところを崩された。今はFWで役目は違うが、去年の悔しさを晴らしたい」。新たな任務をまっとうし、全国切符を引き寄せる。【永野高輔】