来季のJリーグ湘南ベルマーレ加入が内定している阪南大高の主将、FW鈴木章斗(3年)が2得点の活躍で、6大会ぶり2度目の全国選手権の切符を勝ち取った。日本代表FW大迫勇也(ヴィッセル神戸)のようなスケールの大きなプレーが魅力だ。

「自分のゴールでチームを助けられたのはうれしい。まさか(履正社から)チームで3点も取れるとは思っていなかった」

前半4分に自身のPKで先制すると、2-0で迎えた同27分には、ペナルティーエリア左からカットインしながら相手をかわし、右足で強烈な追加点を挙げた。

「あれ(2点目)は練習していた通り。成果が出せてうれしかった」。今大会5試合で4得点とエースの働きを示し、試合後は仲間から胴上げのプレゼントが待っていた。

名門のガンバ大阪ジュニアユース出身で阪南大高に進学。G大阪の本拠地パナスタでこの日、初めて試合を体験できた。「1度は立ってみたかったピッチ。高校サッカーで立ててうれしい」。中学時代はスタンドから観戦するのみで、近くて遠かった、あこがれのスタジアムでゴールを決め、大阪大会を勝ち抜いた。

既に湘南入団が内定しており、近い将来、G大阪と対戦するのも夢の1つ。「自分のゴールでG大阪を倒してみたい」という18歳は、現在J1残留争いの真っただ中にいる湘南の試合結果は気にしつつ「全国大会があるので、自分のことに集中します」と話す。

178センチ、65キロと細身ながらポストプレーや、相手ゴール前での決定力の高さが武器だ。

目標の選手は、大迫やポーランド代表FWレバンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)。この日の試合前にも目標とする選手の動画でイメージ練習し、実際に結果を出した。

「全国では優勝したいけど、まずはチームでベスト8に進みたい。自分のプレーでチームを勝たせることが目標です」。未来の日本を背負う逸材が、高校最後の全国舞台でさらに才能を開花させる。【横田和幸】