鹿児島キャンプ中で実現したジュビロ磐田と清水エスパルスの「静岡ダービー」は磐田に軍配が上がった。3本目の30分にMF上原力也(25)が右足ミドルで決勝点。下部組織出身の25歳が値千金の1発をたたき込んだ。

劇的な幕切れだった。0-0のまま試合終盤に突入。磐田がハイプレスをかけると、相手のミスを誘った。上原が敵陣でボールを奪い、エリア外から右足一閃(いっせん)。「ボールを奪った瞬間からシュートしか考えていなかった」。強烈な右足ミドルをゴール左隅に決めて、決勝点。ラストプレーで勝利をたぐり寄せ「ダービーで勝てたことはチームにとっても重要なこと」と胸を張った。

両チームは今月26日の第2節(エコパ)で対戦する。静岡ダービーの「前哨戦」で上原が成長した姿を印象づけた。昨季は仙台に期限付き移籍し、リーグ戦で34試合に出場。ボランチの主力として経験を積み、古巣に戻ってきた。今季はプレーでチームを引っ張る覚悟がある。「今までの自分だったら、パスを出していた」と振り返った得点シーンではゴールへの強い思いを体現。「ここからもう1回波に乗っていけるような得点だった」と手応えを口にした。

チームは5日にJ2モンテディオ山形と練習試合を行い、キャンプを打ち上げる。「みんなで共通理解をもってやれている」と上原。18日後の福岡との開幕戦を見据え、さらにチームの成熟度を上げていく。【神谷亮磨】