J1ジュビロ磐田の元日本代表MF遠藤保仁(42)が、自然体でJリーグの歴史に名を刻む。11日は磐田市内での練習に参加。G大阪在籍時の2020年以来、自身2季ぶりとなるJ1での戦いに向けて調整している。プロ25年目となる今季は、3つの記録更新が期待されている。「数字は気にしない。チームとともに成長したい」と高みを見据えた。

達成間近な記録は開幕スタメンだ。今季第1節の19日の福岡戦(ベススタ)では、Jリーグ記録の23年連続開幕先発出場が濃厚。さらに、自身が持つ歴代最長の24年連続シーズン得点記録の更新も懸かる。ゴールを決めれば、「神様」ジーコの41歳3カ月12日のJ1最年長得点記録も塗り替える。開幕戦での「マルチ」達成が楽しみだ。

それでも、最優先に考えるのはチームの勝利。「得点以外の仕事もあるし、結果的に取れればいい」と冷静だ。この日のセットプレーの練習では、ゴール中央から直接FKを沈めた。「まだ練習不足」と本調子ではないというが、精度の高さは健在。居残りのFK練習でも6本中3本を決めた。「精度を上げていいボールを蹴っていきたい」。さらに磨きをかけていく。

12日には非公開で練習試合を行う予定。「ミスを恐れずにチャレンジしたい」と遠藤。開幕前最後の実戦で感覚を確かめ、敵地福岡に乗り込む。【神谷亮磨】

○…チーム関係者はこの日午後、浜松市の秋葉山本宮・秋葉神社で必勝祈願を行った。コロナ禍のため、昨年に続き、少人数での実施。小野勝社長らフロントスタッフと伊藤彰監督(49)、選手を代表してDF大井健太郎(37)MF山本康裕(32)DF小川大貴(30)が出席した。主将の大井は絵馬に「ケガなく一年戦う」と力強い文字で記した。「昨年の必勝祈願も、この3人でチームを代表して来て、またJ1に戻ってこれた。今季はチームの目標を達成できるように頑張りたい」。1つでも多くの勝利を挙げることを願った。

○…今季は2019年以来、3年ぶりにJ1で清水と磐田の静岡ダービーが復活する。伝統の一戦をPRするため、両クラブ共同でロゴの新デザインを発表。静岡ダービーが日本一のダービーであり、唯一無二であるという自負と、サッカー王国の意地とプライドをかけた戦いを「THE DERBY」というロゴで表現した。2010年に初めて制作され、今回が2度目のデザイン変更となる。今季は26日の第2節(エコパ)で両クラブが激突する。今後はロゴを使いながら、試合前の告知やグッズ販売などを行っていくという。