新潟はホーム開幕戦で山口と1-1で引き分け、開幕から3試合連続ドローとなった。後半13分に先制を許す。大粒の雨と強風が吹く荒天の中、1万738人のサポーターが大拍手で選手の背中を後押しすると、同32分にMF本間至恩(21)がMF伊藤涼太郎(24)からのラストパスをゴールに流しこみ、同点に追いついた。次節(13日)、アウェー秋田戦で今季初勝利を目指す。

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新潟の“至宝”がネットを揺らした。0-1の後半32分、カウンターから中央を突破した伊藤がキックフォームに入ると、相手の視界の外で息を潜めていた本間が左サイドから突如、加速。オフサイドラインぎりぎりに鋭く入り込みパスを受け、最後は右足で相手GKの股の下を抜くシュートを決めた。本能が凝縮された同点弾に「欲しいタイミングでパスをくれた。ファーストタッチがうまくいった」。今季初白星にはつながらなかったが、今後に弾みがつく今季初ゴールだった。

右太ももを負傷して戦線離脱することになった昨年10月の山口戦以来の本拠地ピッチに戻った本間。この日も相手に「本間シフト」を敷かれて自由を制限されたが、強気にドリブルを仕掛け続ける。2点差を追いついた前節大宮戦(2月26日、2-2)の2アシストに続く、ゴールの活躍。「得点に直結する部分でチームに貢献できていることはいいこと」と話した。

強風と地面を強く打ちつけるような雨にも苦しめられた。思うようにボールを保持できずにいると後半13分に先制点を献上。2戦連続で追いかける展開に松橋力蔵監督(53)は「試合の入りで消極的になってしまったし、(攻撃で)ショートカウンターが多くなってしまった」と振り返った。だが「自分たちのスタイルを出せない中、よくやった」と選手をねぎらった。

本間も3戦連続ドローを悔しがりながらも「開幕2戦はアウェー。1度も勝ち点を失わなかったことをポジティブにとらえたい」と前を向いた。攻撃をけん引する背番号10は「自分のゴール、アシストで勝利に導きたい」と次節13日、アウェーでの秋田戦で今季初勝利を狙う。【小林忠】

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○…新潟加入後、初めてオレンジのユニホームに袖を通したMF伊藤は推進力のあるドリブルから本間の同点ゴールをアシスト。「うまく(ボールを)運べ、至恩を相手GKと1対1の場面をつくれた」と話した。