J2アルビレックス新潟のFW谷口海斗(26)の右足がゴールをこじ開ける。19日のホーム、ヴァンフォーレ甲府戦(午後2時開始)に備え、18日は聖籠町での最終調整に参加。報道陣に一部公開された練習では、終始、笑顔でボールを追いかけた。開幕から4試合を終えて3分け1敗のチームは18位に沈む。まずはホームで今季初勝利を奪い、浮上のきっかけをつかむためにも強気に攻める。

ゴールに飢えている谷口が迷わず右足を振り抜く。この日の練習は冒頭のウオーミングアップとボール回しのみ公開となった。その間、ピッチには昨季で現役を引退した田中達也コーチ(39)から谷口に向けられた「カイ(海)キャノン!」という声が響き渡った。練習後、会見に臨んだ谷口は「シュートを打ち続ける意識が大切。ここまで積み上げてきたことをゴール前で出したい」と力を込めた。

チームは前節13日はアウェーでの秋田に0-1で敗れ、今季初黒星を喫した。「開幕節からの連続未勝利」が4試合(3分け1敗)となり、クラブのJ2でのワースト記録を更新してしまった。ここまでスピーディーな展開からチャンスを作り出すが、決定機を生かせずに奪ったゴールは4試合で3点。谷口を含めFW陣はいまだにネットを揺らせていない。「自分自身、(クロスやパスに)入り込むタイミングは合ってきている。あとは最後の質を高めるだけ」と手応えはある。

ホームに迎える12位甲府は3-4-2-1がベース。サイドを起点とした攻撃を仕掛けてくるが、守備時には5バック気味にブロックを敷く。新潟は主導権を握るためにも早い時間帯に先制点を奪い、優位に試合を進めたい。背後への飛び出しが得意な谷口は「(最終)ライン間にポジションを取りながら隙をついていきたい」と堅守攻略へのイメージを膨らませた。

チーム浮上のきっかけをつかむにはエースの爆発が必要。「チームも自分も結果がほしい。前への迫力を出していきたい」。昨季13点を挙げたチーム得点王が“キャノン砲”発動へ意欲を見せた。【小林忠】