大阪ダービー史上、公式戦56度目の対戦で初のスコアレスドロー決着となった。

その試合後、セレッソ大阪の元韓国代表GKキム・ジンヒョン(34)が、無失点に貢献できたことに安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

「0-0が史上初めてとは知らなかった。我々は1次リーグ突破をすることが重要だった。だから0(無失点)は大きい」

引き分け以上が、プレーオフステージ進出が決まる条件だった。守護神は、負けなかった大一番に胸を張った。

この勢いで金字塔を懸けた試合に臨むことになった。

キム・ジンヒョンは現在、J1リーグでは通算332試合に出場。次節29日の鹿島アントラーズ戦(ヨドコウ)に出場すれば、かつてヴィッセル神戸などに在籍したブラジル人FWマルキーニョスの持つ、外国籍選手最多となる333試合に並ぶことになる。

(※歴代最多はジュビロ磐田のMF遠藤保仁の650試合。キム・ジンヒョンの332試合は81位)

次々節5月3日のサガン鳥栖戦(駅スタ)では、334試合の新記録更新も確実だ。

韓国の大学を卒業し、09年に当時J2だったC大阪入り。翌10年3月20日のFC東京戦(味スタ)でJ1初出場を果たした。17年の途中からはJ1でフルタイム出場を続けており、現在は歴代3位になる179試合で継続中だ。

19日の公開練習の際は取材に応じ、333試合出場について「あまり、気にしていない」と言いつつ「Jリーグの記録に残せるのはうれしい。もっと(記録を)伸ばしたい」とも語っていた。

C大阪一筋で、今季が14年目の在籍。うち3年を過ごしたJ2では113試合、調整で出場したJ3も1試合ある。Jリーグではトータルで446試合もピッチに立ってきた。

日本語はほぼ完璧で、大阪弁も自在に操れるまでになった。18年ワールドカップ(W杯)ロシア大会の韓国代表にも選ばれた大ベテランは、7月に35歳の誕生日を迎える。心技体、今が全盛期と思えるほどの充実ぶりだ。【横田和幸】