清水エスパルスが「聖地国立」での戦いを浮上への転機にする。クラブ創設30周年記念試合となる2日の横浜F・マリノス戦は、東京・国立競技場で午後7時から行われる。リーグ戦でクラブ主管のホーム試合となるのは2006年以来、16年ぶり。1日は完全非公開で最終調整した。ゼ・リカルド監督(51)は「日々の練習で自信を深めている。我々のサッカーを表現するだけ」とクラブの思いを代弁した。

改修前の国立では1996年のナビスコ杯で優勝し、クラブ初タイトルを獲得。2001年度の天皇杯も制した舞台だ。歴史を刻んできたピッチで対するのは、現在首位に立つ横浜。3月の前回対戦では0-2で敗れているが、ブラジル人指揮官は「恐れることはない」と語気を強めた。

横浜もJリーグ開幕から参戦している「オリジナル10」の1つ。ただの「1試合」ではなく、クラブの威信を懸けた一戦。下部組織出身のMF西沢健太(25)も「いろんな人のおかげで、この舞台で戦える。強い気持ちをプレーで表現したい」と言った。チケットは既に9割以上が販売済みで、5万人以上の来場者が見込まれる。大観衆が見守る中での節目の一戦。首位を撃破し、リーグ17位からの巻き返しを図る。【神谷亮磨】

◆J1清水の国立でのリーグ戦 初開催はJリーグが開幕した1993年の5月29日、名古屋戦。0-0のまま迎えたPK戦の末、5-6で敗れた。1995年のV川崎(現東京V)戦以降は、PK勝ちを含めて12連勝を記録。2003年以降の開催では、現在5連敗を喫している。横浜との対戦は4勝1分け2敗。通算成績は30試合18勝1分け11敗で、43得点34失点。