「3発快勝劇」で「J1昇格」へ大きな弾みをつけた。J2年間順位6位モンテディオ山形が敵地で同3位ファジアーノ岡山を粉砕。0-0の前半5分。FWディサロ燦(あきら)シルヴァーノ(26)が景気づけの先制ゴールを奪い、後半30分にはFWデラトーレが中押し弾。同5分後にMFチアゴ・アウベスがダメ押し弾を突き刺した。引き分け以下でも許されない最初の関門を突破。次戦は11月6日、同4位の熊本とアウェーで激突する。15年以来のJ1返り咲きへ、負けられない戦いは続く。

ド迫力の「モンテ劇場」が幕を開けた。敵地で岡山に3-0で圧勝。J1参入プレーオフ(PO)初戦を突破し、2回戦進出を果たした。クラモフスキー監督は「自分たちのパフォーマンスを出し切れた。信念を持って戦ってくれた選手たちを誇りに思う」と目を細めた。

頼れるストライカーことディサロが「3発快勝劇」の号砲を鳴らした。0-0で迎えた前半5分。ゴール前へ抜け出し、相手GKと1対1。1本目のシュートは足で防がれたが、こぼれ球に再び反応。最後は滑り込みながら左足でネットに流し込んだ。チームに流れを呼び込む先制弾。ここぞの大一番でも結果を残した。「(相手GKより)自分の方が気持ち的に強かった。決め切ることができて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

後半に突入すると勢いは増すばかりだった。後半30分。デラトーレがヘッドで中押し弾を突き刺し、同5分後にはチアゴ・アウベスのダメ押し弾で勝負あり。16日の大分戦(大銀ドーム)から3試合連続での“3発完封勝ち”。チームは完全に仕上がった。指揮官は手応えを口にする。「1シーズンを通して、ぶれずにやってきた結果だと思う。流れをつかんできている」。

15年以来の「J1昇格」へ残り2戦。次戦は敵地に乗り込み、熊本とJ1PO決定戦進出を懸けて戦う。ディサロは「次の1試合に集中してチーム一丸で戦いたい」。PO圏内ぎりぎりの6位山形が破竹の快進撃で「下克上昇格」でJ1へ返り咲く。【佐藤究】