水頭症を患い32歳で亡くなった工藤壮人さんの追悼献花台が三協F柏近くのミニコートに設けられ、多くのサポーターが別れをしのんだ。

秋の暖かな日差しが降り注ぐ中、献花台には長蛇の列ができた。横5メートルほどの台には、たくさんの柏のチームカラーである黄色い花が手向けられた。

柏時代の背番号「9」の黄色のユニホームと、背番号「19」の白色のユニホームに加え、写真5枚が展示された。献花台中央には、13年のヤマザキナビスコ杯で優勝し、笑顔でトロフィーを抱き上げる写真が飾られた。

神奈川・横浜市から急きょ訪れた40代後半の男性は「印象的なゴールもたくさんありますし、ゴール後にエンブレムをたたいて喜ぶしぐさをよく覚えています」と懐かしんだ。「レイソルの黄金期を支えたセンターFWなので、感謝の気持ちを伝えました」と静かな口調で話した。

千葉・松戸市から訪れた50代の夫婦は、Jリーグ昇格前からのファン。工藤さんが活躍した10年代前半を振り返り、「一番いい時代でした。工藤選手のおかげです」と涙を浮かべた。

幼少期からファンだという10代後半の男性は、12年のセレッソ大阪戦でのハットトリックや13年のヤマザキナビスコ杯での決勝ゴールを現地で観戦したという。この日は黄色い花を手向け、「(12年の)ハットトリック後に見せたはじけるような笑顔が忘れられないです」と回顧した。

試合開始前には5分ほどの追悼VTRがスクリーンに映し出され、柏サポーターの応援動画が流れると、スタンドからは自然と手拍子が起こった。試合開始直前には黙とうがささげられた。

工藤さんは09年から15年に柏に在籍。J2時代も含め、在籍期間中にリーグ戦で66得点を挙げた。

献花台は試合終了1時間後まで設置される予定。