全国高校サッカー選手権新潟県大会の決勝が明日13日、デンカビッグスワンスタジアムで行われる。5大会ぶり2度目の優勝を目指す日本文理は、準決勝で大会5連覇を狙った帝京長岡を2-0で撃破し、勢いに乗る。得点源はFWに入る杉本晴生(せい、3年)。強烈な左足シュートと、高校3年間で鍛え上げたフィジカルを生かしてゴリゴリと突き進むゴールハンターが、新潟明訓の守備陣を豪快になぎ倒しにかかる。

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自慢の左足でネットを揺らす。新潟明訓との決戦を控えた今週初めの紅白戦で杉本はハットトリックを決めるなど絶好調。シード校として3回戦から登場した今大会は4試合で1得点と結果は出ていないが、全国の舞台まであと1勝に迫ったタイミングでギアを上げてきた。「頭を丸めて気合も入った。調子はかなりいいです」と手応えを示す。

身長172センチと上背はない。それでも当たり負けしない筋力と、ジャンプ力を生かしたポストプレーで攻撃の起点となり、相手が間合いを空ければ自ら振り向いてゴールに迫る。「相手が嫌がることを選択する。周りに点を取れる仲間がいるので、つぶれ役でもかまわない」と話す。

努力でつかんだ日本文理の背番号9だ。高校入学時は身長160センチ、体重60キロときゃしゃだった。トップチーム入りへ、試合前日以外は筋トレを欠かさず続けた。昼食は校内にある食堂の利用は避け、手作り弁当を持参した。「白米は寮で用意してもらえるので、筋力にいいブロッコリーや鶏肉を調理した。そこで差をつけようと」。現在、体重は68キロに増え、鍛え上げた腹筋はバキバキに割れる。「当たり負けしない自信はある」と胸を張る。

チームは3年生中心のメンバー構成。杉本と2トップを組む曽根大輝、トップ下の塩崎温大で結成するトライアングルは破壊力抜群で、そこに左DF小林倫太朗が絡み攻撃に厚みを出す。大橋彰コーチ(48)は今大会1得点の杉本に「そろそろ爆発してもらわないと。やってくれるでしょう」と期待する。

新潟明訓とは今季公式戦で1勝1分け1敗。春の県総体準決勝では0-1で敗れているだけに「最後に勝つのはうち。俺が2点決めて決着をつける」とストライカーとしての自覚を言葉にした。【小林忠】

◆杉本晴生(すぎもと・せい)2004年(平16)8月19日生まれ、上越市出身。1歳上の兄大空さんの影響を受けて5歳でサッカーを始め、春日新田小1~6年は直江津サッカースポーツ少年団に所属。直江津東中では上越春日FCでプレー。日本文理高では3年春にトップチーム入り。今季のプリンスリーグ北信越では4得点を挙げ、12月開催のプレミアリーグ参入戦進出に貢献。172センチ、68キロ。利き足は左。