FC大阪が、今季最終戦でJ3入会条件の1つである「ホームゲームの1試合平均入場者数」の基準を満たし、来季からの参入を決めた。

すでに入会条件の1つである「リーグ4位以内」が確定。この日、3732人来場すれば基準達成となるという注目の一戦で、1万2183人が来場した。

選手は年間を通して駅前や商店街などでのチラシ配りで広報活動を継続。塚原真也監督(37)は「選手たちの日々の努力が実った1年。練習終わってからすぐにビラを配りに行くのは、口で言うのは簡単だが、体が動かなかったりする。試合に出てない選手もできたというのは、すごく強くなった」と目を細めた。

J3沼津でプレー経験もあるDF坂本修佑主将(29)は「チームで昇格することは数少ない選手が経験できること。今年、キャプテンマークを渡されてチームを引っ張る中で、昇格に関われたのは誇りに思うし、やってきて良かった」と喜んだ。

一方で、最終節まで演じた優勝争いは、来季からのJ3参入を決めている奈良クラブに得失点差で敗れた。しかし、0-1の後半36分に同点ゴールを決めるなど、最後まで諦めない姿勢をサポーターへ届けた。

頼もしい援軍も駆けつけた。今季限りで阪神タイガースを引退した糸井嘉男氏(41)や元ラグビー日本代表の大畑大介氏(47)らがゲストとして来場。試合前からトークショーなどを開催し、花を添えた。

大阪府と協力し、府民をスタジアムに無料招待した今節。キックインセレモニーを務めた吉村洋文大阪府知事(47)も自身のツイッターで「FC大阪をみんなで応援してJリーグに昇格させよう!11月20日(日)、花園でのホーム最終戦、3732人以上の観客が入れば、Jリーグ昇格です。それ未満なら不昇格。僕も行きます。3732(み・ん・な・で・み・に)行こう!うまいこと言えた!」などとPRしていた。

また、日本代表で活躍した本田圭佑(36)も自身の公式ツイッターで、吉村知事に同調する形で「観客数が少ないと昇格できないとかそんな生温いJリーグのルールは今すぐに変えるべき。勝ち続けた選手たちに失礼すぎる」とツイートして、論議されていた。

ガンバ大阪、セレッソ大阪に続き、大阪では27年ぶりに、3クラブ目のJクラブが誕生した。

同クラブの近藤祐輔社長(36)は「ガンバさんやセレッソさんなど、俗に言う大手資本にあたるクラブではなく、我々はベンチャーにあたる。みんなに支えてもらいながら、街一帯となって新しい歴史を刻んでいきたい」と、本拠地の東大阪市と一体となって盛り上げることを誓った。

◆FC大阪 1996年(平8)3月にクラブを設立。15年からJFLに所属する。20年2月、Jリーグ百年構想クラブに承認。21年9月に22年シーズンJ3クラブライセンスを取得した。運営会社は株式会社F.C.大阪で近藤祐輔代表取締役社長。本拠は東大阪市。

◆JFLからJ3への昇格条件 最大2クラブ。J3クラブライセンスの交付を受け、JFLで4位以内かつ、J参入を目指す「Jリーグ百年構想クラブ」の中で上位2位以内。ホーム観客動員1試合平均2000人以上も条件。今季は、奈良クラブも昇格を決めている。

○…エッ、現役復帰!? 今季限りで引退した元阪神の糸井嘉男氏(41)が試合前のトークショーで勧誘された。日本ハムで同僚だった藤井秀悟氏(45)と登壇。来季から関西独立リーグの大阪ゼロロクブルズ監督を務める同氏に「是非、もう一度現役復帰してやってもらいたい」とオファーを受けると「多分エースですね」と笑いを誘った。元ラグビー日本代表の大畑大介(47)と元櫻坂46の渡辺梨加(27)のトークショーも行われた。