仙台大が逆転で3年ぶりに初戦を突破した。九産大に先制を許すも、後半の3発で4-1と快勝。J2ベガルタ仙台からの派遣コーチとして今春就任した西洋祐監督(39)の采配が的中し、交代2選手が決勝ゴールを含む2得点を奪った。同点の後半19分にFW波田祥太(3年)が勝ち越し弾を決めると、2点リードの同43分には青森山田出身のMF本田真斗(1年)がダメ押しの4点目。途中出場コンビが躍動した。11日の2回戦は今季の関東1部王者・明大と対戦する。

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仙台大が攻めの姿勢を貫き、白星発進を決めた。シュート本数は相手の3本に対し11本と圧倒。前半7分に先制されたが、同14分に追いつき、後半の3発でひっくり返した。全日本大学選手権で初出場初ゴールの本田は「初戦で難しい試合でしたが、最後の大会になる『4年生のために』という思いが強く出て勝てたと思います」。この日出場した16人のうち4年生は3人。3年生以下が「絶対に引退させない」と一丸になり、初戦突破につなげた。

本田のビューティフル弾で勝利を決定づけた。3-1の後半43分、右サイドで浮き球のパスに抜けだすと、カットインしながら左足を振り抜く。ボールは弧を描いてゴール左へ。「自分は左利きでカットインシュートに自信があるので、得意な形で得点できて良かった。練習通りでした」。全体練習後に毎日欠かさず30分ほどシュートを打ち込んできた成果を発揮した。

昨年度は高校3冠を達成した青森山田の一員だった。全国高校選手権はすべて途中出場も、5試合中3試合で出番があり、優勝の瞬間は国立競技場のピッチで迎えた。「3冠できたのは良かったが、個人としては悔しい思いもあった。大学では見返したいというか、その悔しさを晴らしたい気持ちでプレーしています」。2連覇に挑む母校は31日に広島皆実と初戦を迎える。後輩たちに向けては「そんなに気負わず、今までやってきたことをすべて出して1戦1戦頑張ってほしいです」とエールを送る。

仙台大は2回戦で関東1部王者の明大と激突する。相手には高校時代に同期だったMF藤森颯太(1年)が在籍し「お互いにいい試合ができれば」と意気込む。先発でも途中出場でも「チャンスが来たら、しっかり決めきって勝利に貢献したいです」。常勝軍団の青森山田でプレーした本田が、大学サッカー界の常勝軍団に挑む。【山田愛斗】