J内定者13人を擁する桐蔭横浜大が、川崎フロンターレ内定のエースFW山田新(4年)の劇的ゴールで新潟医療福祉大に競り勝ち、初優勝を手にした。

2-2で迎えた後半アディショナルタイム。途中出場のMF神田洸樹(3年)が左サイドをドリブル突破すると、山田へスルーパス。山田はそのままゴール前へドリブルし、相手DFをかわすと、ペナルティーアーク付近から右足を振り抜いた。ボールがネットを揺らし、これが決勝点になった。山田は最優秀選手に輝いた。

山田は「何も考えないで打ったとき、一番ゴールができている。感覚で打ったシュートでした」と振り返った。ボランチで先発したMF山内日向汰(3年)が「(山田は)練習では宇宙開発ばかりだったのに、本番で決めるのはすごい」と目を丸くしたほど。山田も「持ってますね」と苦笑いした。

来季から川崎Fに加入する。王者のチームへの加入で注目度も増し、結果が出ず苦しんだ時期もあった。「最後の大会は、何が何でも自分がゴールして日本一にすると強い思いで臨んだ。それが実現できて嬉しい」と話した。

2度、リードを許す苦しい展開だった。「このままでは終われない。自分たちの力はこんなもんじゃない」。ハーフタイムに声を掛け合い、後半に2得点で試合をひっくり返した。間もなくプロ生活がスタートする。「FWなので数字は求められる。今日のように、フロンターレに勝利をもたらせるゴールを取って、タイトルをもたらしたい」と抱負を語った。