2023年シーズンのJ2が18日に開幕する。今季は清水エスパルスとジュビロ磐田に加え、J3から昇格してきた藤枝MYFCの計3クラブがしのぎを削る。藤枝にとってはクラブ史上初の舞台。日刊スポーツ静岡版では今日11日から「わたし達の新時代」と題して、藤枝の新戦力やスタッフ、クラブをサポートする行政などにスポットを当てて連載する。第1回は、J3ガイナーレ鳥取から加入したMF新井泰貴(25)。開幕先発候補のボランチは自身にとっても初のJ2でさらなる躍進を誓った。

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期待の新戦力が存在感を放っている。新井は鹿児島キャンプ中のJ2熊本との練習試合で主力組のボランチに入った。積極的にボールを受けて攻撃のリズムを作ると、自身の特徴を発揮。「ボールを奪いきるところは負けたくない」と、球際での強さも見せてアピールした。左足の正確なキックも武器の1つ。超攻撃的サッカーを実現するための新たなピースになりつつある。

昨季までは鳥取でプレー。藤枝からのオファーに即決したという。「藤枝が目指している方向性に魅力を感じた。このクラブでもっと成長したいと思った」。自身にとってもJ2は初挑戦。さらなる高みを見据えて新天地を選んだ。J2は「最初の目標にしていた舞台。自分がどれだけ通用するか楽しみしかない」と胸を躍らせている。

ボランチはチームの生命線でもある。須藤大輔監督(45)からの要求も高く、日々奮闘している。新井は「ハードワークは当然。攻撃のスイッチとなる縦パスの精度も上げていきたい」。昨季はJ3で4得点5アシストを記録。今季は全試合出場を最低限の目標に掲げ、「ゴールとアシストで10得点以上に絡みたい」と決意を口にした。

クラブが初めてJ3に参入したのは2014年。節目の10年目となる今季、初めてJ2に挑む。いわきとの開幕戦(18日)は新時代の幕開けとなる一戦で、「見ている人も、やっている人も楽しいサッカーを体現したい」。藤枝のニューカマーが歴史的1勝を目指すチームのキーマンになる。【神谷亮磨】