セレッソ大阪の元日本代表MF香川真司(33)が約12年9カ月ぶりの復帰戦で、いきなり得点を演出した。

後半26分に途中出場し、その4分後。MF為田のパスを受けると、左足から左サイドに絶妙のスルーパス。走り抜けたDF山中がクロスを供給し、最後はMF奥埜が一時は勝ち越しとなるゴールをたたき込んだ。

「(得点場面は)特に何も(ない)。次を見ているというか、何より大事なのは、このピッチに立って、始まったなと感じることができた。次への1歩として大きかった」

ドルトムントに移籍前の10年5月15日神戸戦(長居)以来、4662日ぶりのJリーグの舞台。同点で投入され、2トップの一角やトップ下などで約20分間プレー。決定的な仕事を含め、仲間に指示する左右の手がチームで最も動いた。

最終盤の失点でドローに終わり、リーグ戦は昨年9月を最後に7試合未勝利。背番号8は「勝ちたかった。(失点場面は)突き詰めていかないと」と反省した一方、1万7928人が入った本拠地ヨドコウは、香川効果で独特の一体感が生まれた。「(試合前は)ノイズや考えるものがあった。(会場は)経験したことのない雰囲気だった。すごく驚き、スイッチが入った」と大観衆に感謝した。

ベルギー1部シントトロイデンに在籍した昨年11月に左足首を手術し、約4カ月ぶりの公式戦。「次は必ず勝てるように、いい準備をしたい」。21歳で欧州に飛び立った香川は、33歳の今も輝きはまったく失っていない。【横田和幸】