モンテディオ山形がクラブ史上初の開幕2連勝を達成した。アウェーでジェフユナイテッド千葉に3-1で逆転勝ち。前半終了間際にFWイサカ・ゼイン(25)が移籍後初ゴールとなる同点弾を決めると、後半にはFWデラトーレ(30)とMFチアゴ・アウベス(26)の2戦連続アベック弾で試合をひっくり返した。約1300人が訪れた山形サポーターの大声援を力に変え、千葉戦の直近成績を9戦無敗(6勝3分け)とし、暫定首位に浮上した。

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山形が3発逆転劇で、99年のJリーグ参入後初となる開幕2連勝を決めた。殊勲弾のデラトーレは「全員で歴史を刻めた。今回は2連勝だが、また歴史を刻んでいきたい」と大型連勝に意欲を示した。

「デラ砲」がさく裂した。1-1の後半17分、FW加藤大樹(29)のパスを受けたデラトーレは、ペナルティーエリア左からDF2人の間を射抜くコントロールショット。「いいパスが来て、いつも練習している通りに打てた」。決勝ゴールを奪い、サポーターのもとへ駆け寄り歓喜。そして、その流れで選手たちはゆりかごダンスを披露した。「(DF熊本雄太ら)3選手の子どもが生まれ、キャンプ中は自分の家族よりもチームメートと過ごす時間が長い。彼らのためにゆりかごダンスをできてすごくうれしい」と力を込めた。

イサカの同点弾が山形をよみがえらせた。0-0の前半19分、ショートカウンターから先制点を献上。その後も相手に多くの決定機をつくられたが、体を張った守備で追加点は許さなかった。1点を追う同45分、MF南秀仁(29)のサイドチェンジからドリブルで約30メートル独走したイサカは、豪快に右足を振り抜いて移籍後初ゴール。「アウェーでもあれだけのサポーターが来てくれる。場所がどこであろうと自分たちは力を尽くさないといけない」。逆境をはね返す得点でチームを勇気づけた。

前半の劣勢から一転、後半は分厚い攻撃を仕掛けて千葉をのみ込んだ。デラトーレも「試合序盤は苦労したが、ゼインのゴールが後半の逆転につながった」とイサカの一撃をたたえた。

J2優勝、J1昇格を目指す山形は開幕からアウェー4連戦と過酷なスケジュールが続く。すでに2連勝を飾り、次戦は3月4日に難敵・磐田と対戦。同19日のホーム開幕戦まで連勝街道を突っ走る。【山田愛斗】

◆山形ピーター・クラモフスキー監督(44、クラブ初の開幕2連勝に)「多くのサポーターに応援していただき感謝しているし、彼らのサポートが我々の勝ち点3に力を貸してくれた。我々は止まることなく、(連勝を)3、4と伸ばしていけるように継続していきたい」