ホームで全部勝つ! J2モンテディオ山形は16日、天童市内で19日のホーム開幕FC町田ゼルビア戦に向けて調整した。今季はアウェー4連戦でスタート。クラブ史上初の開幕2連勝を達成したが、直近2戦は連敗し、2勝2敗で本拠地に帰ってきた。全試合で失点を喫し、苦しんでいるが、GK後藤雅明(28)を中心に守備を立て直し、無敗の首位町田に初黒星をつける。

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山形は待ちに待ったホーム初陣を迎える。雪国ということもあり、開幕から1カ月、5戦目での本拠地オープニングゲーム。後藤雅は「ホームでできるのはすごい楽しみだし、『ホームで今年は全部勝つ』という場にしたいので、応援してくれる皆さんのためにも絶対に勝ちたいです」。今季は全席種で声出し応援が解禁。山形サポーターの大声援を力に変え、ホーム全21試合で勝利を目指す。

直近5年のホーム戦績は、18年が9勝7分け5敗、19年が11勝3分け7敗、20年が11勝3分け7敗、21年が10勝3分け8敗、22年が11勝4分け6敗と、すべて勝ち越しているものの、最大の貯金は昨季の「5」。目標に掲げるJ2優勝、J1昇格に近づくためには、後藤雅が「全部勝つ」と話すように、NDソフトスタジアム山形で圧倒的な成績を収めたい。

対戦相手の町田を今季から率いるのは、高校サッカーの強豪・青森山田で7度の全国制覇を果たした黒田剛監督(52)だ。後藤雅は国学院久我山(東京)出身で、2011年度の全国高校選手権に出場。高校時代は1度も対戦経験はないが、「常に優勝争いやタイトルのかかった試合を経験している監督」と名将の印象が強いという。その上で「町田の試合を見る限り、僕の勝手なイメージですけど、青森山田にけっこう影響されているのかなというのはあります」と続ける。

昨季はリーグ3位タイの失点数で堅守を誇った山形。だが、開幕から4試合連続で失点し、守備の立て直しが急務だ。「ちょっとした自分たちの隙やミスが続いて失点している。やるべきことをやり、高い集中力で試合に臨むのが大事」と今季初の無失点を誓う。「ホームで今回は首位の町田ということで、やりがいのある試合だと思います」。2度目の開幕戦を制して勢いに乗る。【山田愛斗】

■山形育ち半田代表初招集を祝福

山形ピーター・クラモフスキー監督(44)が、教え子の日本代表初招集を祝福した。下部組織出身で昨季まで山形でプレーしたJ1G大阪DF半田陸(21)が15日、国際親善試合に臨むA代表に選出。過去に山形に所属し、移籍後に代表入りしたのは増田誓志、坂元達裕に続く3人目で、下部組織出身者では初の快挙。指揮官は「山形の方全員が半田陸のことを誇りに思っていると思う。オメデトウネ」と声を弾ませた。

クラモフスキー監督は21年の就任以降、半田を右サイドバックの主力として使い続け、半田はチームに欠かせない存在に成長。アンダー世代では代表の常連だが、今回、サプライズでA代表抜てきとなった。「彼のポテンシャルはここの雲よりも上にある。学ぼうという意思が強く、もっとうまくなってやろうという気持ちが強い。彼は最高の選手になれる能力、特長を持っている」と絶賛した。