サッカーJ1横浜F・マリノスDF小池龍太(27)が23日、東京・新宿バルト9で行われたドキュメンタリー映画「横浜F・マリノス創設30周年記念ドキュメンタリー Beyond Together」(牧有太監督)公開記念舞台あいさつに登壇し、元気な姿を見せた。

小池は、1月20日の練習中に負傷し、同24日に神奈川県内の病院にて手術を受けて右膝蓋(しつがい)骨脱臼で全治6~8週と診断された。復帰の途上にあるが、この日は檀上で自ら現状について言及。「元気に走っているんで…あとは自分を使いたいと監督が思ってくれたところで、皆さんの前で小池龍太(のプレー)を見せたい」とケヴィン・マスカット監督(49)とサポーターへのアピールを忘れなかった。

小池は、映画の感想を聞かれると「見させていただき、しっかり泣いた」と語った。映画は、クラブ30周年を迎えた22年に5度目のJリーグ制覇を成し遂げたシーズンに密着した作品で「もっと深いところを現場で見てきた。思い出アルバムのような作品」と作品を評した。

そして「まず、チャンピオンになれたことが一番。そこに向かう姿勢、サポーターとの皆さんと戦えたことを、作品に残せて良かった」と感慨深げに振り返った。その上で、ナレーションを務め、親交のある斎藤工(41)に「斎藤さんの声が、すてきで染みる」と感謝した。

小池は、JFAアカデミー福島を卒業した14年にJクラブから声がかからず、同年からJ3の下の実質、4部に当たるJFLの、レノファ山口FC(現J2)でキャリアをスタートした。その後、同クラブのJ3、J2昇格に貢献すると、自らも17年にJ1柏レイソルへとステップアップし、19年のベルギー1部ロケレンを経て20年に横浜に加入。22年7月には日本代表にまで上り詰める、映画になりそうなキャリアを歩んできた。

それだけに「JFLからキャリアをつないできた自分に取って、ここにいるのは夢のよう。野球もそうですけど、頑張れば逆転できるのは人生で証明してきた。映画を見て人生が前に進めるよう、心から願ってます」と、WBCで3大会ぶり3度目の世界一に輝いた侍ジャパンの栄光と、自らのキャリアを重ね合わせて語った。

連覇をかけて戦う、横浜の今シーズンについては「連覇はしていませんけど、3、4連覇…歴史をつくることが出来るよう努力したい。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で8強、優勝に挑戦したい」と意気込んだ。そして「選手は全員、見たと思うけれど『感動した』の一言。新しいシーズンで戦っている中ですけれど、昨シーズンを超えるというモチベーションにはなっている」と、映画が連覇への心の支えに、間違いなくなると太鼓判を押した。