北海道コンサドーレ札幌FWミラン・トゥチッチ(26)が28日、札幌・宮の沢での練習後、公式記録訂正によって認められた今季初得点について語った。3-2で勝利した25日ルヴァン杯ジュビロ磐田戦(ヤマハ)に後半から出場。2-2の同ロスタイム8分、ゴール前での混戦で右足で流し込んだ。試合直後の公式記録では、得点者は左足かかとで触っていた札幌U-18FW出間思努(17)となっていたが、27日に得点者がトゥチッチに訂正された。「自分のゴールになったのはうれしいけど、チームが勝ったのが一番。チームがゴールを決めた」とうなずいた。

ゴールした瞬間、喜びを爆発させたが、歓喜の輪は別の場所で生まれた。Jリーグ公式戦デビューを果たした17歳がヒーローとして喜ぶ姿に「彼が自分のゴールだと思って喜んでいた。今『違うよ。俺のゴールだよ』と言ったらかわいそうだと思ったので、そこは気を使ったかもしれない。言わなくても大丈夫だと思った」。出間をたたえる輪に加わり、仲間と一緒に決勝ゴールを喜んだ。レフェリーには自身の得点だとアピールしたが、「俺の英語が伝わらなかった」という。

だが試合後、チーム内からもトゥチッチの得点という声が上がった。映像で何度も確認した上で、クラブが対応した。

優しすぎる助っ人の気づかいによって生じた試合から2日後の記録訂正。昨年4月23日ルヴァン杯柏戦(1●2)以来のゴールとなっても、「次の試合がある。川崎フロンターレ戦で勝つようにチームで練習したい。頑張りたい」と、4月1日ホーム川崎F戦へ気持ちを切り替えていた。