JFL昇格を目指す北海道十勝スカイアースが、今季加入した元コンサドーレ札幌MF中原彰吾(28)のゴールなどで北海道教大岩見沢を下し、5日の代表決定戦に駒を進めた。

1-0の前半ロスタイムに得たPKのチャンス。キャプテンマークを左腕に巻いた中原が、迷わずキッカーに名乗り出た。「『譲ってください』とお願いしました。この1点が(プロとしての)今後につながってくるかもしれませんし、そこ(点数)にはこだわりたいなと思って」。きっちりゴールに蹴り込み、新しいチームメートたちと、しっかり抱き合った。

2シーズン前、J1仙台の背番号18で19試合に出場しながら、昨季はJ3相模原、今季は地域リーグと、カテゴリーを落とした。現在は帯広市内の公衆浴場で朝8時から夕方5時までフロントなどの仕事をこなし、夜7時からナイターで練習する生活だ。「サッカーができる環境がある限りは、もう1度Jの舞台に戻れるように」と中原。チームごとJFL、そしてJに昇格させることが、今の目標だ。

昨季の北海道十勝スカイアースは、北海道リーグでBTOP北海道に敗れ、JFL昇格のかかる地域チャンピオンズリーグの舞台にすら立てなかった。5日のBTOP北海道との対戦は、今季のリーグ戦をも占う大事な一戦になる。「元々の(札幌での)チームメートである永坂(勇人=28)やウッチー(内山裕貴=27)と一緒に、北海道サッカーのためにも頑張りたい」。国内最高峰リーグで戦ってきた経験と強い思いで、まずは5日の代表決定戦で、チームを本選出場に誘う。【中島洋尚】