最下位に低迷するガンバ大阪がダニエル・ポヤトス監督(44)の続投(体制維持)を決めたことが20日、分かった。この日のホーム横浜戦は0-2で敗れ、98年以来25年ぶりの5連敗を喫した。

ナイトゲーム後、クラブは公式ホームページで小野忠史社長(61)の名前で異例の声明文を発表した。

極めて深刻な成績不振をファン、サポーターを含めた関係者に謝罪した上で「必ずこの困難な状況を脱し(関係者すべてに)笑顔をお届けできるよう、どんな状況でも諦めることなく戦い、勝利を目指して取り組んでまいります」と説明。

文章には明記されなかったものの、クラブ関係者によると、ポヤトス監督を引き続き支持していく方針だという。

この日で14試合を終え、全34試合の折り返しまで残り3戦。今後の結果次第で途中解任の可能性は否定できないが、あくまでクラブと指揮官の二人三脚の姿勢は貫く。

この日はキックオフ直後から、選手は気迫あふれるプレーを見せ、FWジェバリを軸に何度も波状攻撃を見せた。指揮官が求めていたインテンシティー(プレー強度)でも横浜と互角だった。

しかし、退場で10人になった横浜から1点も奪えなかった。攻守の詰めの甘さ、同じシュート9本を放ちながらも決定力の欠如は、引き続いての課題だ。

途中から出場した主将FW宇佐美は試合後、この日で通算800万人の来場を達成したホームの観客を前に泣いていた。責任感からくる悔し涙だった。

サポーターとの話し合いを持った宇佐美は「(彼らは)見捨てないと言ってくれた。自分たちにとっては、ありがたい言葉。キャリアの中でも一番苦しい時を過ごしているが、あきらめることなく、やり続けるのみ」と語気を強めた。

GK東口も「今日みたいなサッカーをしていけば、結果は出る。やるだけ」と顔を上げた。選手らはポヤトス監督への信頼感も失っていないという。

G大阪は今季、昨季までJ2徳島を指揮したスペイン人のポヤトス監督を新たに招聘(しょうへい)。

自分たちでボールを保持し、本来の姿である攻撃的なスタイルを取り戻すことを目指してきた。だが、予想以上に変革に時間を要しており、ここまで1勝4分け9敗、この日を含めて直近7戦未勝利(1分け6敗)で泥沼から脱出できなかった。

「悔しさ、悲しさでいっぱい」と試合後にコメントした指揮官は、試合前日の19日に「(結果を出せない)自分自身に怒りであったり、悲しみ、眠れない日々が続いている」と胸中を吐露していた。

次は24日に、1次リーグ首位をキープしているルヴァン杯(ホーム京都戦)に臨む。