J1自動昇格の残り1枠を懸けた最後の一戦になる。J2で2位の清水エスパルスは12日にアウェーで水戸ホーリーホックと対戦する。勝てば、自力で昇格が決まる一戦。昨季まで水戸で指揮を執った秋葉忠宏監督(48)は古巣撃破を誓った。清水を勝ち点1差で追っている3位磐田はアウェーで栃木と対する。逆転での自動昇格を目指し、横内昭展監督(55)も勝利だけを見据えた。【神谷亮磨】

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舞台は整った。清水は勝てば、自力で自動昇格をつかめる2位につけている。今季最終戦の相手は秋葉監督にとって特別な相手。かつての「ホーム」に清水の指揮官として乗り込む。10日は静岡市内で調整。練習を終えると、強い決意を口にした。「自分が持っている男なのか、持っていないのか。必ず勝って昇格を決めたい」

水戸の全てを知り尽くしている。2020年から昨季まで3年間監督を務めた。所属している選手の長所や短所は把握済み。今季は「水戸の試合を気にしながら見ていた」と明かし、チームの戦い方も頭に入っている。秋葉監督は「向こうは僕の事しか知らないけれど、僕は全部分かっている」。清水にとって有益となる情報は既に選手やスタッフと共有し、丸裸にした。

水戸との前回対戦はホームでスコアレスドロー。当時はまだヘッドコーチだった。その後は19位だったチームを再建。昇格が懸かった大事な試合が古巣との一戦になる。「何となくそうなるんじゃないかと。こういう中で試合ができることはいちサッカー人としてうれしいこと」と胸を躍らせている。

試合当日はメンバー外の選手らも現地で観戦する予定。文字通り、チーム一丸で戦うつもりだ。秋葉監督は「プレーオフなんて全く考えていないし、ここで終わらせる。おそらくこのメンバーで戦えるのは最後になると思う。集大成」と言い切った。残り1試合。ラスト90分間に今季の全てをぶつける。【神谷亮磨】