川崎フロンターレ鬼木達監督(49)が来季、続投することが28日、分かった。今日29日にもクラブから正式に発表される。関係者によると、契約は今季限りだったが、過去の実績とともに、天皇杯決勝進出やACL1次リーグ突破などの結果を受けてクラブは契約延長をオファーした。

17年に風間八宏氏の後を継いでヘッドコーチから昇格した鬼木監督は、就任初年度にいきなりリーグ制覇を成し遂げてクラブに初タイトルをもたらした。その後、毎年のように主力が海外移籍などで抜ける中で、5年連続タイトルを獲得。常勝軍団に押し上げた。

昨季は無冠に終わり、けが人が続出した今季もリーグ戦は9位と低迷。だが、そこから底力を発揮した。天皇杯は決勝まで駒を進め、ACLでも勝利を重ねた。過密日程で疲労がたまる10月以降は負けなしの「強いフロンターレ」を取り戻しつつある。監督自身、ここまで勝てないことは経験がなかったという。「自分自身に矢印を向けながら向上する意志の強さがあったからこそチームとしてぶれずに崩れずにやって来られた」と復調の要因を分析する。球際の強さや細かいパスの精度などを追求し続けた。

鬼木監督は他クラブからの魅力的なオファーもありながら、断って川崎Fとの契約合意に至ったという。

シーズンをまたいで行われるACLも見据えて、もう1年指揮を執ることを決めたようだ。12月9日の柏との天皇杯決勝、悲願のACL制覇に向けて、鬼木フロンターレの旅路は続く。