J2藤枝は4日、J3松本と練習試合(40分×4本)を行い、3-3で引き分けた。現時点での主力組が出場した1、2本目では2-1で逆転勝ち。エース候補のFW矢村健(26)が1得点1アシストの活躍を見せ、開幕スタメンへ1歩リードした。

好調ぶりを示した。1点を追う2本目の23分、矢村が強引に左サイドを突破。中央へクロスを送り、MF梶川諒太(34)の同点弾をお膳立てした。「狙い通りだった」。自身も納得するアシストで勢いづくと、同36分には点取り屋の実力を発揮。味方からのスルーパスに反応し、右足で相手GKの股を抜く技ありのゴールで勝ち越した。キャンプでの実戦は2戦連発で、「続けて取っていくことは大事」と胸を張った。

昨季は38試合出場で9得点。リーグ中盤まで切り札的存在だったが、9月以降に定位置をつかんだ。J1新潟からの期限付き移籍を延長した今季は強い決意で臨んでいる。「藤枝にきて2年目なので、他の選手に伝えられることもある。チームがいい方向にいけるようにやっていきたい」と、主軸としての自覚ものぞかせた。

目に見える結果だけでなく、前線からの献身的な守備でもチームに貢献している。長崎との開幕戦まで3週間を切った。矢村は「体はキレているし、動けている状態。もっといける」と強調した。今季のエース候補は万全のコンディションで開幕のピッチに立つ。【神谷亮磨】

○…今季加入したDFウエンデル(24)が実戦デビューした。鹿児島キャンプからチームに合流すると、この日は4本目に途中出場。3バックの左に入り、190センチの体格を生かした突破と正確な左足のキックを披露した。即戦力として期待されているブラジル人助っ人は「まず試合に出られたことはうれしい。コンディションは80%ぐらい。一歩一歩やっていきたい」と先を見据えた。

○…藤枝のコーチングスタッフが地元の高校生を対象にサッカー教室を開催した。練習試合後に約1時間基礎練習やミニゲームを実施。枝村匠馬コーチ(37)らが熱心に指導し、交流を図った。参加した高校1年生の7人は練習試合でもボールボーイを担当。FW柳勇輔(1年)は「試合も1番いい場所から見させてもらって貴重な体験になりました。今日教えてもらったことを自分たちの高校でも生かしていきたいです」と目を輝かせた。