セレッソ大阪小菊昭雄監督(48)が、ワールドカップ(W杯)3大会に出場した元日本代表FW岡崎慎司(37=シントトロイデン)の今季限りでの現役引退を惜しんだ。2人は高校サッカーの名門・滝川二の先輩と後輩の関係にあたる。

「こんなに日本を代表する選手になると正直、思っていなかった。1人の後輩として応援してきた選手が、日本を引っ張り、海外でいろいろ経験をした。まだやれるんじゃないかと思うが、彼なりの美学があるのでしょう。散り際もかっこいい」

C大阪でコーチ、監督になる以前、スカウト担当だった小菊監督は、岡崎が高校2年時に知り合った。ただ当時、母校の試合にスカウティングのために通ったのは、岡崎の1学年下で当時1年生だった“デカモリシ”こと、188センチのFW森島康仁(36)が目当てだったという。

「当時のC大阪は大型のストライカーを探していたこともあって、デカが高1、岡崎が高2…さすがに母校から、同じポジションの2人を(2年連続で)取るというのはできなかった」という小菊監督は「それが、僕の見る目のなさですね」と、ユーモアをまじえて振り返った。

もちろん、活躍した時間の長短はあるが、森島もU-20W杯日本代表、さらに10年W杯南アフリカ大会の予選で日本代表に選出されるなど、J1では4クラブで通算83試合13得点の成績を残し、34歳で引退した。ただ、それ以上に岡崎は太く、長く日本に貢献し続けた。

「すごいですよね。(滝川二から)清水に入って、苦労していたのも聞いていたんですが、その中であそこまでいったのは、彼の努力のたまもの。お疲れさまでしたと伝えたい」

岡崎が清水エスパルスに入団したのが05年。ほぼ同じ時期に、小菊監督は当時、みやぎバルセロナユースに所属していたMF香川真司(34)に目を付け、高校生プロとして06年にC大阪入団へと導いている。