柏レイソルの新加入、MF島村拓弥（24）がJ1初出場で決勝アシストを記録した。昨季の王者ヴィッセル神戸を破る値千金の活躍だった。
J2ロアッソ熊本から移籍した島村は、6日の25歳の誕生日を前に、自らが大仕事で記念日を祝った。岡山・備前市立伊部（いんべ）小、備前中時代は、ドジャース山本由伸投手（25）と同級生で親友だった。
「J1初出場だし、その中で初出場でアシストできたのは自信になる。（気持ちを）切り替えて次の試合も出られるように、勝利に貢献できる点やアシストを決めたい」
0－0で迎えた後半22分、右サイドの攻撃的MFの位置に投入された。同38分にFW細谷が体を倒しながらつないだパスに、島村がドリブルで右サイドを突破。ややマイナスに供給したクロスを、最後は京都サンガから新加入のFW木下が決勝点を決めた。
その2分後には、島村がJ1初ゴールと思われたシュートを放つも、相手に阻止された。「（頭にゴールは）よぎった。結構余裕を持ってシュートを打てる状況だったので」と、真剣に悔しがった。
島村は岡山・備前市の小学校から、2年時に伊部小へ転校。そこで同級生になった山本とは中学卒業までの8年間、「ヨッシー」「タクヤ」と呼び合う親友になった。オリックス時代の山本は、島村のことをSNSで紹介するほどの仲だ。
今年からメジャーに挑戦した山本とは、今でも連絡を取り合う。「そうですね…ちょくちょくですね」。一方で、山本との関係だけが話題なるのは本意ではないという。
「山本選手（との関係）に注目がいきがちだが、自分がしっかりサッカーを頑張って、自分が注目されるようにやっていきたい」
京都の下部組織から17年に京都（J2）でプロ契約をスタート。FC岐阜（J2）、ブラジルのクラブ、セレッソ大阪（J1）、FC今治（J3）、熊本（J2）と渡り歩き、ようやく柏でつかんだJ1の舞台。J2通算40試合2得点、J3通算78試合3得点の下積みを経て、170センチ、59キロのアタッカーがついに結果を出した。
◆島村拓弥（しまむら・たくや）1999年（平11）3月6日、岡山県生まれ。京都U－18（立命館宇治高）から17年にトップ昇格。岐阜、ブラジルのクラブ、C大阪、今治、熊本を経て柏へ。J2通算40試合2得点、J3通算78試合3得点。170センチ、59キロ。
柏FW細谷（体を張って島村にパスし、決勝点をお膳立て）「うまく前に送れた。後ろから見てもきれいな（木下の）ゴールだった。神戸に勝ててよかった」
柏FW木下（途中出場での移籍後初ゴールが決勝点となり）「たぶんタク（島村）も僕を見たというよりもスペースがあるというイメージで、僕とうまくシンクロしてゴールにつなげられたと思う。あの形はよく練習している。入ったら決めてやろうと思っていた。形になってよかった」
