川崎フロンターレがFC東京との「多摩川クラシコ」を3-0で制し、J1ホーム通算200勝を達成した。リーグ戦の連敗は3でストップした。大卒ルーキーMF山内日向汰(22)が途中出場で貴重な追加点をアシスト。鮮烈なJリーグデビューを果たした。

後半37分に出番がめぐってくると、1分後の同38分、左サイドを抜け出すと、相手DFを鮮やかな切り返しで交わして左足クロス。中で同時に途中出場したFW山田新(23)の得点をお膳立てした。

得点を確認すると、左コーナー付近で喜びを爆発させ、寄ってくるチームメートに祝福された。「実際自分が得意なのカットインなんですけど、(切り返しも)両方できるので、そこはもっと出せていければなと思います。ギリギリまでシュートも打てますし、切り返しもできるっていう状況を作れた。うまく結果を残せてよかった」と落ち着いた口調で振り返った。

小学生から川崎Fの下部組織で育ち、桐蔭横浜大を経て、今季入団。幼い頃から憧れた等々力のピッチで、チームの歴史的勝利に貢献した。「歴史に名を刻めたことはすごくうれしい。やはり等々力にはサッカーの神様がいると思う。雰囲気も最高で、サポーターの皆さんも熱くて、家族とかも来ていましたし、いろいろな大切な人たちの前でプレーできる幸せというのをよりかみしめてこれからも過ごしていきたいと思います」と笑顔をみせた。

2月の富士フイルムスーパーカップには出場したが、リーグ戦ではベンチにすら入れなかった。それでも「コツコツやるしかないことは分かっている。コンディションはすごくいいので、試合に出た活躍できるというのを、麻生(グランド)で示すだけ」とじれずに練習でアピールを続け、チャンスをつかみ取った。

3連敗と苦しいチーム状況の中、新戦力として躍動。「自分はもっとチームに勢いをもたらせられるという自覚もあるし、そういう部分を持って戦わないといけない」とさらなる飛躍を目指す。初出場で結果を残し「やれることは証明できた」とうなずきつつ「もっともっとやらないといけない部分はある」。謙虚な大型新人がチームに勢いをもたらす。【佐藤成】