川崎フロンターレに所属する桐蔭横浜大出身者が、FC東京との「多摩川クラシコ」で活躍した。

まずは、1-0の後半37分からダブル投入されたルーキーMF山内日向汰(22)と2年目山田新(23)がみせた。

出場から1分後の同38分に左サイドを抜け出した山内のクロスを山田が押し込んで貴重な2点目を決めた。1学年差の2人は、川崎Fのアカデミー、桐蔭横浜大と同じ道を歩んできた。 後輩からのアシストで今季2点目を決めたストライカーは「彼が高校から、大学も頑張り続けている姿は近くで見ていた。それが結果的に自分のゴールで出たので、感慨深いものもありましたし、デビュー戦でアシストしてくれたのでうれしいです。良い関係性が築けている」と喜んだ。

Jリーグデビューで大仕事をした山内は、山田へのアシストについて問われると「いや、まあそこもなんかちょっとうれしいですけど、あんまりいろいろと言うと、バカにされるのでコメントはしない(笑い)。気持ち悪いって言われるので」と照れた。それでも山田が「感慨深い」と言っていたことを伝え聞くと「まじっすか(笑い)あいつ意外にこういうところあるのでかわいいです」と笑顔。「大学で一緒にやってきて、プロを目指して一緒に切磋琢磨(せっさたくま)してきたので、後輩たちもそうですけど、大学でやればJリーグでも活躍できるというのは、自分が活躍することで証明できると思うので、もっともっと後輩たちの見本になれるように頑張りたいなと思います」と力強く語った。

最後に仕上げたのは山田の2学年上の“長男”MF橘田健人(25)だ。後半ロスタイムにミドルシュートでダメ押しの3点目を奪った。後輩2人で決めきった2点目について「苦しい時間に2点目が取れたのは大きかった。本当に素晴らしいプレーだった」と絶賛。デビューの山内についても「あそこの形は練習でも多く得点に絡むようなプレーをしていたので、あの形に入った瞬間、『来たな』と思ったら、しっかり結果出してくれたので本当にすごいと思います」と褒めたたえた。

クラブには、19年のイサカゼイン(現モンテディオ山形)から5年連続で同大選手が加入。橘田と山田の間には、GK早坂勇希(24)がおり、チームの一大勢力を形成している。大学サッカー界でも確かな存在感を示している同大学出身の「桐蔭軍団」が川崎Fを支えている。【佐藤成】