<チャレンジリーグ:仙台5ー0世田谷>◇第21節◇28日◇群馬・川場サッカー場

 サッカー女子のなでしこリーグの2部に相当するチャレンジリーグで28日、昨年休部した東京電力マリーゼが母体のベガルタ仙台が優勝し、来季のなでしこリーグ昇格を決めた。スフィーダ世田谷に5-0で快勝し、1試合を残して1位が確定した。

 東京電力福島第1原発事故の影響で活動を休止したマリーゼが仙台に移管され、今季から参戦した。チームの大半を占めるのは日本代表の鮫島彩(25)ら、なでしこリーグの東京電力でプレーしていた選手。休部の悲劇から1年で同リーグ“復帰”の目標を見事に達成した。8月に加入した鮫島は「一緒にサッカーをして一緒に喜び合いたいと心から思える仲間。こういう日なので思い切り喜んだ」と笑顔を浮かべた。

 マリーゼの本拠地だった福島県のJヴィレッジは震災後、原発事故の対応拠点になった。プレーする場を失い、不安な日々を経て再び集まったメンバーとつかんだ優勝に、下小鶴綾主将(30)は「みんなでサッカーをやることに飢えていた。集まった仲間を大切に思うし、絆も強くなった」と感慨に浸った。