サッカー北京五輪代表のコーチを務めた井原正巳氏(41)が、来季の柏のヘッドコーチに就任することが7日、明らかになった。柏のほか複数のJクラブが、指導者として獲得に乗りだしていたが、同氏はこの日までに柏側にヘッドコーチの就任を受諾する旨を伝えた。リーグ11位に終わり、今季限りで石崎信弘監督を解任した柏は来季、監督就任が決定的になっている高橋真一郎ヘッドコーチ(51)と井原氏の体制で巻き返しを図る。

 北京五輪代表コーチを務め、Jリーグの指導者として現場に立つことを望んでいた井原氏が複数の選択肢から最終的に選んだのは、柏のヘッドコーチだった。

 北京五輪代表コーチとして日本協会との契約は9月末まで。「厳しいと思いますが、これから就職活動です」と話していた同氏については複数のJクラブが関心を持っていた。関係者によると、J1、J2の複数のクラブからオファーを受けて悩んでいた同氏はこの日までに、柏以外のクラブに断りの連絡を入れ、柏側にはヘッドコーチ就任を受諾する旨を伝えたという。

 関係者によると、柏が井原氏にヘッドコーチ就任の話を持っていったのは11月下旬。ちょうど来季の監督を決めようとしている時期で、柏の幹部は「(年齢が)若い監督になった場合にはベテランのヘッドコーチを付け、ベテラン監督なら若いヘッドコーチを付けて経験を積ませようと思っていた。井原にはコーチとして経験を積んでもらって、将来的には監督として期待している」と話した。

 井原氏は現役時代、柏に在籍したことはないが、来季の監督就任が決定的になっている高橋ヘッドコーチと親交がある。05年、井原氏がS級ライセンス取得のために、高橋氏が監督を務めていた横浜ユースの練習に参加したこともあるという。関係者によると、お互いが好印象を持っており、和を重視する柏のチームカラーにもマッチする。

 柏側は井原氏に複数年契約を提示している。9日までにも契約を交わす予定にしているという。