磐田の日本代表FW前田遼一(29)が、10日から始まる鹿児島キャンプで本格合流することが1月31日、決まった。柳下正明監督(51)によると、6日の練習から合流予定だったが、疲労を考慮され10日間のオフが与えられた。前田はこの日、4度目の優勝を遂げたアジア杯開催地カタールから帰国。全6試合に先発し、疲労困憊(こんぱい)のエースがしばらくリフレッシュする。

 日の丸を背負い4度目となるアジア杯制覇に貢献したエースには、何よりも休養が必要だった。この日の練習を終えた柳下監督は「公式戦を代表として戦って、肉体以上にメンタルが疲れている。それだけプレッシャーもかかる。4、5日間の合宿とはわけが違うから」と、前田に帰国した31日を含む10日間のオフを与えることを決めた。1トップに入って、代表チームの先頭で体を張り続けた。張りつめた緊張感を解きほぐすには、時間が必要だった。

 同監督によると、大会後に前田は珍しく疲労感を漂わせていたという。「なかなか自分から『疲れた』と言わないけど、『ちょっと…(疲れた)』ということだったから休ませる」と判断。オフシーズン中に開催され、昨季の疲れを癒やす時間もとれなかった。国際電話の向こうからも感じ取れるほど、疲労は蓄積されていた。

 1月9日からの6試合すべて先発出場し3得点をマーク。同25日の韓国戦では同点弾も決めるなど、試合勘は磐田の誰よりも持っている。10日からの鹿児島キャンプは2日間に1試合の割合でゲーム中心の日程。「ゲームコンディションはできあがっていると思う」と、指揮官に不安はない。「(前田)遼一のことだから全部休まず、ランニングとかは1人でやるだろう」と、自己管理のできる男には信頼も厚い。

 合流の日程も決まり、Jリーグモードへ突入。3年連続得点王への挑戦が待っている。【栗田成芳】