磐田の日本代表FW前田遼一(29)が11日、鹿児島キャンプ2日目を迎え、志願してフルメニューを消化した。アジア杯後の10日間の休養から合流したばかりで、別メニューが用意されていたが、ボールの感触を懐かしむように、チームと同じ練習を行った。

 エース前田は、感覚を確かめるように、全ての練習メニューをこなした。当初は午前中のパス回し後に、ランニングなどの別メニュー調整が予定されていた。だが、そのままチームに合流し、シュート練習や午後の紅白戦に出場。練習後も、1人で黙々とクールダウンを行い、精力的に汗を流した。きょう12日から改めて別メニューの予定だが、柳下正明監督(51)は「本人がやりたいと言ってきたので。2週間ぐらいボールを触っていなかったから、やりたかったんじゃないか」と前田の意思を尊重した。

 現在はコンディションを上げている段階だが、ゲーム形式となれば自然とスイッチが入る。紅白戦前に行われたハーフコートゲームでは2得点をマーク。紅白戦でも、前線からボールを奪取し、チャンスを演出するなど、合流2日目で存在感を示した。キャンプ前は、メディカルチェックやフィジカルチェックは行っていない。生駒フィジカルコーチは「コンディションが上がれば、普通にゴールが取れる選手。今は、多少のウエート(体重)があるけれど順調だと思う」と話した。

 昨年末から日本代表合宿が始まり、アジア杯では全試合にスタメン出場。疲労はピークに達していた。普段ならオフ中でも練習場を訪れ、体を動かしていたが、今回は10日間のオフで完全休養し、心身共にリフレッシュした。今季のプレーについて「去年以上のプレーをする。出る試合は点を取りたい」と語る。開幕までの3週間でさらなるレベルアップを目指している。【神谷亮磨】