<J1:大宮2-1広島>◇第10節◇6日◇NACK

 リーグ初出場で2年目の広島増田卓也(23)が、ピッチ上から救急車で運ばれた。後半39分に大宮FW富山と激しく交錯。頭部を強く打っており、動かせなかった。ピッチに救急車が入ったのは05年9月17日横浜戦での東京FWルーカス以来2例目だった。

 さいたま市内の病院に搬送された増田は、脳振とうと診断されたが大事には至らず、念のため入院。激突直後は記憶があいまいで心配されたが、今日7日の再検査を経て退院する見込みだ。この日は、左ふくらはぎ痛の正GK西川の代役で出場。前半23分にはFWノバコビッチの決定的なシュートを防いだ。森保監督は「いい判断でゲームに関わっていた。大げさにいったら生死に関わるぶつかり方のアクシデント。(主審に)救急車を要請した」と振り返った。

 試合は0-1の後半32分にFW佐藤が同点ゴール。だがその7分後に増田の負傷とともに決勝点を奪われて大宮の無敗行進を止められず。佐藤はアクシデントについて「FWは勇気がないと点は取れないし、GKも体を張って防ぐ。どちらにも過失はない。それだけハードな戦いをしている」と神妙だった。【益田一弘】