<ACL:横浜2-1全北現代>◇1次リーグG組◇15日◇横浜国際

 「ハマのメッシ」がスーパーゴールで魅了した。横浜が全北現代(韓国)に逆転勝ち。日本代表MF斎藤学(24)がスーパーミドル弾を決めるなど2得点と活躍し、決勝トーナメント(T)進出へ望みをつないだ。

 背水の横浜をMF斎藤のスーパーゴールが救った。1点を追う後半19分、左サイドから直角に入ったスローインを体の右に、ボールと並走する。左斜め45度の視界にゴールをとらえながら、2バウンドして浮いた球を、体をねじって右足で蹴り上げた。ドライブ回転して落ちたシュートは、約30メートル先の反対サイドのクロスバーを直撃し、真下のゴールラインを割った。入った瞬間、眉毛を下げて口をポカン…。われに返った数秒後にガッツポーズした。

 「俺もビックリ。とにかく打たないと入らないと思った」。本人も驚いた1発は、試合前のバスで見た海外スーパーゴール集で軌道のイメージを膨らませたものだった。これで勢いに乗り、1分後にも躍動した。FW藤田がスルーパス。DFが処理を誤ったところを見逃さず、裏へ抜けた。1対1のGKを右にかわし、右足で逆転ゴールを流し込む。先月、女優篠原涼子似の一般女性と結婚した後の初得点に「サッカー分かんないから」と質問をかわそうとしたが「感謝してる」と照れながら付け加えた。

 前夜、斎藤に食事をおごったMF中村は「明日の新聞の見出しは『学、代表入った弾』だね」と持ち上げた。言葉通り、W杯メンバー発表への猛アピールだ。欧州視察中のザッケローニ監督に代わり、日本協会の原専務理事が見守る前で2発。「代表は別物だけど、点を取れたのはいいこと」と納得した。さらに、ドイツ1部ウォルフスブルクのコーチ兼スカウト、リトバルスキー氏が視察。いろんな期待に応えた。

 22日の最終節は4クラブが勝ち点7で並ぶ大混戦になった。1次L突破へ、敵地での広州恒大戦は得失点差の関係で勝ち点3が必要だが「2連勝しなきゃいけないのは、もともと分かっていたこと」と勝利しか見ていない。昨季アジア王者を倒し、初の決勝Tへの扉をこじ開ける。【木下淳】