【ドーハ(カタール)23日】7大会連続7度目出場の日本(FIFAランキング24位)が、優勝4度の強豪ドイツ(同11位)に2-1で逆転勝ちし、初戦で大金星を挙げ、最高のスタートを切った。27日にコスタリカ(同31日)と第2戦を戦う。

◆日本サッカー史上初めて4大会連続でW杯のピッチに立ったDF“ブラボー”長友佑都の試合後一問一答◆

-試合を終えて

1点取られたあと、これ以上の失点はない、と。1失点だと絶対何か起きるというのをみんなで話し合っていたし、ピッチ内でも、ハーフタイムでもしっかり話し合った。あの1失点で前半を抑えられたのが、勝利につながった全てだと思う。

-硬かったのか

チーム的にも硬さがあったんですけど、戦術的なギャップもあった。なかなか全部はまりきらない状態。僕の所もニャブリがいたんですけど、ミュラーが流れてきたり、1対1で、マンツーマンをやらせてもらえない状況を両サイドで作られていた。なかなか難しかったんですけど、後半3バックで全てがはまった。相手もかなりビルドアップにくろうしていたし、それが良かったかなと思います。もちろん、僕らはかなりトレーニングをしていた。試合中の中で変わる可能性があるというところは森保さんも伝えていたし、変わったからといって、全然、誰も疑問に思うことなくできたのは、トレーニングの成果かなと思います。もうちょっと行きたかった部分もあるが、相手のポゼッションやギャップの作り方のうまさがあって、なかなかいかせてもらえなかったという部分もある。ただ、その部分も想定していたんで、全然ネガティブになることなく落ち着いて、そういうときはブロック作って耐えるという。自分たちのカウンターの部分もあるし、絶対相手は引っかけてくるから、そのカウンターを狙っていこうと。これもずっとミーティングを重ねて、これも成果ですよね。誰1人焦ってなかった。

-ハーフタイムの話は

まずはこれ以上失点をしないことという話があった。そこから戦術的なフォーメーションが変わったんで、そこのところをみんなで話し合った。どう(相手を守備に)はめていくか。後半、相手のほうがあたふたしてて、本当に戦術変えたのが全てだったかなと思います。

-前半のカウンター(前田のシュートも、オフサイド)はプラスになったか

やれるというのはあのシーンも含めて、結構ひっかけて取れている部分があったので、これいけるなというのは感じた。ただ、なかなか相手もうまかったし、ミュラーの嫌らしいポジショニングの動きが、さすがトップでやっている選手だなと感じたんですけど、何よりも1失点で前半を抑えたのが全て。前半2点取られているとこの結果はなかったのかなと思う。

-カナダ戦で、90分でいろいろ試したが、あれがあったから修正できたのか

カナダ戦で課題が出きったと言ってきました。この1週間で課題を詰めてきたんですけど、どうやってはめていくのか、はまらない時にどうするのか、相当選手もそうだし、話し合ってこの1週間過ごしてきた。どんな状態になっても全然みんなブレずに、落ち着いてやれていた。

-3バックで(ウイングバックで)伊東を右、三笘を左は初めてでは

もちろん、点を取りに行くときのああいう形になるのは選手みんなも分かっていた。いろんな戦術的なオプションもあり、個人戦術でああやって薫(三笘)とか純也(伊東)がウイングバックに入って最後攻めきるとか、拓磨(浅野)なんかもそうだし、律(堂安)もそうですね。これはこの4年間かけていろんな選手を試して、誰が出ても同じレベルでプレーできるようにした結果だと思いますね。

-堂安にスターになってほしいと言っていたが

出て行くときにはヒーローになれと言った。絶対ヒーローになれと。本当にヒーローになった。うれしい。たまらなくうれしかった。

-髪形も含めてW杯の

この髪は、日の丸の日本人として背負うというところと、みんなの情熱がこの色に込められている。ここまで派手なことをやって、ダメだったら全部自分が批判を受けるくらいの覚悟でやったし、若手選手ものびのび、何も考えずプレーしてほしいと、いろんな思いを込めてだいぶ頭皮を傷つけました(笑い)

-勝利の味は違うか

今回もしびれたね。ベンチで喜ぶところで、たおれそうになった。血がのぼりすぎて。マジ、くらくらしてました。それくらい、一番うれしいです。

-優勝したような雰囲気

そのくらい大きなことを成し遂げたし、初戦の大事さは、僕が一番経験してきて分かっているから。絶対、何が何でも勝ちたいという気持ちは誰よりも強かったし、ベンチのチームメートのみんなも心ひとつになっていた。これは、比べる必要はないかもしれないけど、ドイツのベンチの雰囲気と日本のベンチの雰囲気は全然違っていたと思う。みんな熱量高くて、みんな一緒に戦っていた。あれは感動するレベル。僕がずっと、みんなの心を1つにするのが大事と言っていたのはこういうこと。これは伝わるんですよ。

-メンタル部分のすりあわせはすごい細かいと思うが

戦術的な話もしたが、みんなのミーティングでメンタル的な、どういうふうに戦うのか、どういうふうにワールドカップに入っていくのかという精神的な話をみんなでして、ぼくもさせてもらったんですけど。ここまで来たら、強い気持ちが必要だ、と。例えば、サムライの話をしたんですけど、すごい武器を作っても、技術を鍛錬して磨いてきても、結局いくさになって、目の前の相手にびびってしまったら、その全てが無駄になると。それはサッカーも同じで、戦術的なところは詰めていきましたけど、技術的もみんな磨いてきましたけど、今日、目の前の相手にびびっていたら絶対に戦術も技術も生きなかったと思う。だから、絶対に、何が何でも目の前の相手つぶすくらい。そのくらいの強い気持ちでみんな臨もうと、僕も個人的に話させてもらったし、全てやることがないくらい戦術部分も精神的な部分も積み重ねてきた結果だと思います。