FIFAワールドカップカタール大会は24日、出場32チームが1次リーグの初戦を終えた。その傾向をデータから分析した。

◆アジア勢 大会史上初めてアジアから6チームが出場し、南米の4チームを上回った今大会。アジア勢は開催国カタール、イラン、オーストラリアが3日連続で黒星を喫したが、サウジアラビアがアルゼンチン、日本がドイツに逆転勝ちし、韓国も優勝経験国ウルグアイに0-0で、計2勝1分け3敗と奮闘した。欧州は7勝4分け2敗、南米は2勝1分け1敗。アフリカ(2分け3敗)と北中米カリブ海(2分け2敗)は未勝利と出遅れた。

◆無得点試合増 1試合平均得点は2.56点と過去2大会と比べても大きな変化はない。ただ、スペインが7点、イングランドが6点、フランスが4点とゴールラッシュを見せた一方で、14チームが無得点と攻撃が不発の傾向だ。前回ロシア大会で全体を通してもデンマーク-フランス戦の1試合だけだった0-0が今大会は既に4試合。1次リーグの1巡目終了時では史上最多となった。

◆途中出場 途中出場選手の得点は日本の堂安律、浅野拓磨など9点。交代枠は従来の3人から最大5人に増えたことで、全体を通して16点だった前回大会を1次リーグの2巡目で上回るかもしれない。

◆PK ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が導入された前回大会はPKの得点が史上最多22点で、今大会も16試合で7点(失敗2度)と多い。1試合平均では前回大会の0.34点から0.44点に増加している。

◆ロスタイム 今大会はスローインやゴールキックといった試合の一部と、(ゴール後の歓喜など)選手が遅らせている事象を分け、失われた時間を正確に計算していることで、ロスタイムが増加。過去の90分終了試合での「最遅ゴール」は18年大会でブラジルのネイマールがコスタリカ戦で記録した後半52分だったが、今大会はイランのタレミがイングランド戦で後半58分、オランダのクラーセンがセネガル戦で後半54分に得点を記録している。