日本(FIFAランク24位)は、12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)に1次リーグ最終戦でスペイン(同7位)と対戦する。MF久保建英(21=レアル・ソシエダード)にとっては、サッカー人生で、切っても切り離せない縁のある相手。メダルの夢を消された昨夏の東京オリンピック(五輪)準決勝に続き、国際舞台での再戦となる。

五輪では延長戦の末に0-1で敗戦。目指していた金メダルの夢を砕かれた。3位決定戦でもメキシコに敗れ、人目もはばからず大号泣。「W杯が始まるころにはA代表で圧倒的な存在になっていないと」と誓った。4月1日の抽選会はスマホでライブ中継を見た。優勝候補のスペインと同組になったことで、湧き上がる思いがあった。

スペインサッカーに才能を見いだされた。名門バルセロナの下部組織で育ち、18歳でライバルのレアル・マドリードへ加入。期限付き移籍したマジョルカ、ビリャレアル、ヘタフェではスタメンを外されたり、出番がないこともあった。日本代表の地位すら安泰ではないときもあったが、今季は完全移籍したRソシエダードで主力として輝きを放った。9月の日本代表のドイツ遠征でも存在感を示し、26人のメンバー入りを勝ち取った。「いつでもチャレンジャー。相手は格上だけど勝ち点3を狙いたい」。常にゴールに貪欲にいく。

日本代表史上2番目の若さで迎えたドイツとのW杯デビュー戦は「最初、ボールに触るまでは、何だかお客さん気分で、試合に入れなかった。立った人しか分からない感覚」と特別な雰囲気も味わった。コスタリカ戦はベンチスタートとなったが、3戦目の因縁のスペイン戦では、もう動じることはない。

スペイン代表には東京五輪で決勝ゴールを決められたFWアセンシオもバルセロナの下部組織でダブルエースとして名をはせたMFアンス・ファティもいる。勝てば衝撃。ドイツ戦に続く番狂わせを自らの左足で起こす覚悟はできている。【岡崎悠利】