3大会ぶりの優勝を目指すスペインが、終盤の失点で引き分けに持ち込まれた。

後半17分にFWモラタ(30=Aマドリード)が右足アウトにかける技ありゴールで先制するも、同38分の今大会初失点でドイツと1-1。E組は全4カ国に決勝トーナメント(T)進出の可能性が残る大混戦になった。1勝1分けで同組首位のスペインは、12月1日(日本時間2日早朝)の1次リーグ最終戦で日本と対戦する。

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2連勝を逃したスペイン、次の日本戦は消化試合ではなくなった。1勝1分けとなり、仮に敗れれば敗退の可能性がある。バルセロナを率いて欧州チャンピオンズリーグなど数々のタイトルを獲得したルイスエンリケ監督は真剣に言った。

「全員が素晴らしいのだから、誰が出場するかは問題ではない。ただ、私たちが日本戦で勝利を目指して臨むことだけは確かだ」

ともにW杯優勝経験のあるドイツ戦は、拮抗(きっこう)した試合になった。前半はスペインが主導権を握り、同7分のFWオルモの強烈なシュートはドイツGKノイアーの手をかすめてバーを直撃。ともにバルセロナ所属の18歳MFガビ、20歳ペドリのパスワークが心地よいハーモニーを奏でた。後半17分、DFアルバの左からのクロスをダイアゴナル(対角線)に走り込んだFWモラタが右足アウトで押し込み先制する。しかし、敗れれば後がなくなるドイツに終盤に得点を許し、痛み分けとなった。

初戦はコスタリカに怒濤(どとう)のゴールラッシュで7-0。2試合連続で途中出場から得点したモラタは「僕らは団結した素晴らしいチームだ」と強調。次戦へ向けても「日本はタフでよく走る。しっかり準備したい」と油断はない。

ルイスエンリケ監督も「勝てるチャンスがあったにもかかわらず勝てなかったので、不思議な気分だし残念だ。しかし自分たちが死の組のトップにいるということを考慮しポジティブになる必要がある」と語った。中3日で迎える1次リーグ最終戦。本気のスペインが、日本に襲いかかる。