大国ドイツが揺らいでいる。

1次リーグ最終戦でコスタリカに4-2と勝利したが、日本がスペインを下したため敗退が決定した。前回ロシア大会に続く、1次リーグ敗退となった。

ハンジ・フリック監督は「1次リーグすべての合計がこの結果となっている。日本戦の最初からの60分間、スペイン戦でも多くのチャンスがあった。それらのチャンスをつかむ必要があった」と悔やんだ。

W杯で4度の優勝を誇るドイツは、2002年の日韓大会で準優勝したものの、04年の欧州選手権は1次リーグ3位で敗退となった。そこで自国開催となった06年W杯から再建し、以降は主要な国際大会で4強をキープしていた。

06年W杯=4強

08年欧州選手権=準優勝

10年W杯=4強

12年欧州選手権=4強

14年W杯=優勝

16年欧州選手権=4強

しかし18年W杯ロシア大会でメキシコ、韓国に敗れるなどし、まさかの最下位で1次リーグ敗退。そして今回もまた敗退した。

ドイツが近年、低迷していることについて、14年W杯覇者の主将ミュラーの見解はこうだ。

「非常に才能ある選手がたくさんいる。ただチームとして、どこにでも走り回るスペシャリストが実際にはいない」

今回も攻撃陣にはニャブリ、サネ、ムシアラ(以上、バイエルン・ミュンヘン)という技術に優れる選手がいたが、攻守の踏ん張りどころで甘さが見えた。

ミュラーは「我々はいったい今、世界のどの位置にいるのだろうか」と首を振った。勝負強いメンタル面から「ゲルマン魂」とたたえらえた姿は、今やどこにも見えない。

かつてのサッカー大国、ドイツが先の見えないトンネルに入った。

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