ワールドカップ・ロシア大会の話題をお届けする「ズドラーストヴィチェ!」。対戦国紹介の第2弾はセネガルだ。

 日本とセネガルには意外な共通点があった。ともに相撲を愛する国だった。セネガル政府スポーツ省のマタル・バ大臣(48)は「国内のスポーツ人気はサッカーと『セネガル相撲』が二分している」と証言する。

 相撲、レスリング、ボクシングを組み合わせたような競技。打撃あり、なしの2種類に分かれ、前者は素手で戦い、勝敗は審判3人が判定。10分間×2本で延長戦あり。力士の頭、背中、臀部(でんぶ)、または両手両膝が地面に接した時に勝負がつく。後者は土俵の外に3回、出ると負け、などのルールがある。

 牛や穀物を懸けた伝統行事からプロ興行に発展。82年に日本の佐渡ケ嶽親方がセネガル力士をスカウトしたが、まげが結えず断念したこともあった。その後も進化を続け、街中に力士を起用した宣伝写真があふれるほど人気。バ大臣は「今回、サッカーのW杯に出る選手の大半は子ども時代にセネガル相撲をしていたはず」。使う筋肉は違うが、屈強なフィジカルの源には相撲があるのかもしれない。