02年サッカーワールドカップ(W杯)日韓大会で日本を指揮したフィリップ・トルシエ氏(63)が14日、東京・台場で行われた「ODAIBA FOOTBALLFANZONE 2018 オープニングセレモニー」に出席した。

 セレモニーでトークショーを行い、W杯ロシア大会を直前に控える日本代表について語った。トルシエ氏は今でも年に数回来日し、日本代表やJリーグの情報もチェックしているといい、4月にハリルホジッチ監督を解任して西野朗新監督が就任した日本について「大変な時だとは思うが、だからこそ力を発揮する大きなチャンス。日本人の文化は、やはり一体感を持ったサッカーをするところ。それを体現してほしい」とエールを送った。

 トルシエ氏が監督を務めていた日韓大会でもサポーターの声援が力になったといい、「あの時、毎日感じ取っていたのは、(サポーターの)大きな青い波が打ち寄せてくる。そんな感じでした」と当時の熱狂を振り返った。今大会での代表のサポートも呼び掛け「ぜひ周りの人を巻き込んで日本を応援してほしい。02年もみなさんの温かいメッセージが直に力をくれた。今、日本チームはロシアで周りに何もない状態でいます。サポーターのみなさんの心を届けて、良いときも悪い時もサポーターはチームと共にあるということを伝えましょう」と熱く訴えた。

 トルシエ氏は、トークショー内で日本の1次リーグ突破の可能性を笑顔で60%と予想した。しかし、その後の囲み取材で報道陣から、この日の数日前のインタビュー記事で今大会の日本について「ベスト16に進出するのは困難だろう」と話していたことを突っ込まれると態度が一変。その場で再び「私の理論上では(突破の)可能性はない」と切り出し、「しかし、サッカーは理論でやるものではない。とにかく初戦が大事。H組のトップはコロンビアだ。日本が突破するためには勝ち点4はとらないといけないかな。面倒だし大変なグループだと思う。しかし、コロンビアに負けても、ありとあらゆる可能性がある」と冷静に分析した。

 日本がW杯前、最後の親善試合となった12日のパラグアイ戦に4-2で勝利したことで「ほのかに希望の光が見えてきた」とも話し、「日本はゴールが決まる度にベンチの前でみんなで喜び合っていた。一体感が作られつつあるなと感じた。以前よりかは選手たちが良いコンディションで臨めるのではないでしょうか」と期待も込めていた。