ワールドカップ(W杯)では、開催国ロシアの伝統に沿って、ロシア語で「ロシカ」と呼ばれるスプーンが応援用の楽器として公認されている。プーチン大統領自ら制作の支援を命じた。

 ロシアには複数の木製スプーンを打ち合わせて楽器として使う文化があるが、演奏は難しい。職人のヌグマノフ氏は、勝利を象徴するV字形に2つのスプーンを組み合わせ、誰でも簡単に鳴らせる楽器を考案した。

 2010年南アフリカ大会で「騒がしい」と批判を浴びた応援用の楽器ブブゼラに比べ、静かで素朴。だが、ロシアがサウジアラビアに圧勝した14日の開幕戦では、ほとんど見かけなかった。

 ヌグマノフ氏は「最近制作を終え、大量生産を始めたばかり」なので、あまり普及していないと釈明。W杯後も見据えて、生産量を毎日7000個に引き上げ、ロシアの国民的な応援楽器として定着させたいと意気込む。

 販売品はプラスチック製で、オンライン価格は990ルーブル(約1700円)。ロシア国旗が描かれているが、注文に応じて他国の旗をあしらった品も販売する方針だ。