保ち続けてきたバランスが初めて崩れた。アイスランドは組織的な守備で前半はナイジェリアをシュートなしに抑えたが、後半にカウンター攻撃を受けて2失点した。

 メッシを抑えたアルゼンチン戦に続き、4枚ずつのDFとMFがラインをきれいに保ち、スペースを与えなかった。だが後半4分、敵陣でのスローインで隙が生まれた。

 得点機で守備の意識が薄れ、G・シグルドソンがマークしていたエテボをフリーにしてしまった。ロングスローをはね返され、鋭いカウンターでエテボに走られて相手が数的優位の状況になり、駆け上がってきたムサへの対応が遅れ失点。反撃に出て前掛かりになると裏を突かれ、後半30分に再びムサに決められた。

 最後まで諦めない姿勢は見せたが、PK失敗も響いて零敗。勝利が遠く、ハルグリムソン監督は「ベストを尽くしたが、ナイジェリアが良かった」と相手をたたえるしかなかった。