日本(FIFAランク61位)が決勝トーナメント(T)1回戦でベルギー(同3位)に2-3と惜敗した。

 奇跡をつかみかけた。試合終了の笛が鳴ると、MF香川はピッチに座り込み、DF昌子は悔しそうにピッチをたたく。西野監督もぼうぜんと立ち尽くし、多くの選手が涙に暮れた。2点を先取しながらの逆転負けに、主将のMF長谷部は「ちょっと整理する時間が必要かなと思います。ちょっと言葉を選ぶのが難しい」とうなだれた。

 最後までベルギーを追い詰めた。まずはスコアレスで迎えた後半3分、敵陣でボールを奪ったカウンターからMF柴崎の絶妙なスルーパスにMF原口が抜け出すと、そのまま右足を振り抜いて先制。そのわずか4分後には中央で香川のパスを受けた乾がペナルティーエリア外から強烈な無回転ミドルシュートを突き刺し、2点のリードを奪った。

 負けられないベルギーもジリジリと日本ゴールに迫る。24分、ペナルティーエリア左でDFフェルトンゲンがヘディングシュートを放つと、これがGK川島の頭を越えてサイドネットにおさまり1点差。その5分後の29分には左サイドからMFのE・アザールがクロスボールをあげると、これを途中出場のMFフェライニに頭で押し込まれて試合を振り出しに戻された。

 そして4分と提示されたロスタイムの3分45秒後。FKで得たCKのこぼれ球からカウンターを受けると、ベルギー攻撃陣が一気にゴール前へと上がり、最後はMFムニエの折り返しを途中出場のMFシャドリが押し込み、ベルギーに勝ち越しゴールを許した。

 先制点の原口、2点目の乾は涙が止まらなかった。原口は「悔しいですけど、もっとこのチームで前に進みたかった」と声を絞り出した。日本の挑戦が終わった。