元日本代表監督で日刊スポーツW杯特別評論家の岡田武史氏(61)が、西野監督と日本代表チームに感謝した。FIFAランク3位のベルギー相手に互角に渡り合ったことを評価し、自身が16強に導いた10年南アフリカ大会からのレベルアップを喜んだ。1次リーグからの4試合で、日本サッカーの「形」が見えてきたとした。【取材・構成=荻島弘一】

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 西野監督就任から2カ月で、チームは大きく変わった。「セネガル戦を現地で見て、メンタリティーでこんなに変わるのかと思った。メディアセンターで誇らしかったよ」。最も注目したのは、チームが1つになったこと。「選手のコメントの主語が、I(私)からWe(私たち)になった。チームとして成長した証拠だと思う」と説明した。

 さらに監督交代に対する「時間がない」という指摘にも疑問符をつける。「西野さんは、ずっとチームを客観的に見ていた。だからこそ、すぐにまとめることができた。それがなかったら、確かに難しい。誰がやってもできる、というものでもなかった」。

 相手の分析も素晴らしかった。W杯の全試合で日本の戦術ははまった。「以前にジーコが日本の分析力を絶賛しながら、選手にとってストレスになると言っていた。でも、今はストレスになっていない。分析した通りにプレーができる。そこがすごい」。3バックの間を通すスルーパス、左サイドの崩しなど弱点を突いた攻め方を称賛した。

 結局2点差を逆転されたが「それは結果。この試合はそうなった。結果なんか分からない。ギャンブルみたいなものだから、勝つか負けるか、ここまでは勝ってきたから」と、あえて敗因には触れなかった。