初の決勝を目指すクロアチアは、決勝トーナメントから2試合続けてPK戦勝利と体力の消耗が心配される。出場を拒否したとしてFWのN・カリニッチを追放し、他のチームより1人少ない22人で戦っている中、準々決勝ロシア戦の延長前半開始直後に、左膝を痛めて負傷交代した不動の右サイドバックのブルサリコが欠場濃厚と満身創痍(そうい)だ。

 W杯期間中に選手を追放するなど、厳しい監督だがFWマンジュキッチは「監督はシンプルな男だよ。いつも落ち着いていて、緊張したり、怒ったりしているところを見たことがない。僕たちは監督を信じて付いていくよ」と厚い信頼関係を口にした。苦しい状況にもダリッチ監督は「まだエネルギーは十分残っている」と冷静に答え、虎視眈々(たんたん)と決勝進出を狙っている。

 66年の母国開催以来となる優勝を目指すイングランドは、リラックスムードだ。10日の午前練習では、2足歩行型の鳥人形(ゴム製)を投げるウオーミングアップをするなど笑顔が絶えず。9日に33歳の誕生日を迎えた最年長のDFヤングはボウリングを楽しんだ。

 その後、ヤングは「いい休日になったよ」と笑いながらコメント。さらに「みんな今大会すべてのことに楽しんでいるよ」。大事な準決勝を前にして平均年齢25・7歳と若いチームにはプレッシャーを感じていない。

 国際Aマッチの成績はイングランドが4勝1分け2敗とリードしているが、W杯では初対決。決勝に進むのは、主力にMFモドリッチ(32)やMFラキティッチ(30)らベテランを置き試合巧者のクロアチアか-。それともFWケーン(24)やFWスターリング(23)ら若手中心で勢いに乗るイングランドか-。運命のキックオフは日本時間12日午前3時。

 ◆放送 テレビ朝日 12日午前1時10分