イングランドは52年ぶりの決勝進出まであとわずかだった。それでも8強に入れば上出来といわれた過小評価を覆す躍進を見せた。開始5分にDFトリッピアーがFKを直接決めて幸先よく先制したが、同点とされた後半23分以降は完全に主導権を握られて延長戦で力尽きた。敗戦後、ピッチに倒れ込んだ選手にサウスゲート監督は「これ以上は求められない。持てる力をすべて振り絞った。立派に戦った」とねぎらった。

 平均年齢25・7歳と若い「スリーライオンズ」が、古豪復活へ向けて確かな1歩を踏みだした。DFラインからボールをつなぐ新しいイングランドを印象付けながらも、今大会12得点中9点がセットプレーと、最後はシンプルに攻めるイングランドらしさも示した。主将のFWケーンは「今後に向けて確かな礎を築くことができた。明るい未来が待っている」。66年以来2度目の優勝へ向けての序章がスタートした。